交通事故に遭い、保険会社から示談金の提示があった場合、加害者から示談を提案された場合、すぐに応じるべきか迷う方も少なくありません。示談に応じなければどうなるのか、ここではその影響についてご説明します。

示談に応じると

示談に応じると、示談金を受け取った時点でそれ以上の損害賠償請求ができなくなります。そのため、後になってケガの具合が悪化したり、新たな後遺症が出たとしても、示談金以上の賠償金を得ることは原則できません。

また、示談書には「今後一切の請求を行わない」旨の文言が含まれることが多く、示談に応じることで事故に関するすべての請求権が消滅します。

示談に応じないと

示談に応じない場合、次の選択肢があります。

• 被害者本人による示談交渉の継続
• 弁護士に依頼して示談交渉を行う
• 裁判所に訴訟を提起する

示談交渉を継続する場合、保険会社や加害者側の対応によっては、より高額な示談金を引き出すことができる可能性があります。ただし、交渉が長引いたり、相手側の態度が強硬な場合は、精神的な負担が大きくなることも考えられます。

裁判所に訴訟を提起する場合

示談交渉がまとまらない場合、裁判所に訴訟を提起して損害賠償請求をすることができます。裁判では、ケガの程度や後遺症、逸失利益などについて争われます。裁判所の判断で示談金よりも高額の賠償金が認められる可能性がありますが、裁判には時間がかかり、費用もかかります。

示談に応じるかどうかの判断

示談に応じるかどうかの判断は、ケガの程度、示談金の金額、示談交渉の進捗状況など、さまざまな要因を総合的に考慮して行う必要があります。後になって後悔しないよう、慎重に判断することが大切です。示談金が妥当であるかどうか、裁判所に訴訟を提起すべきかどうかなど、不安な点があれば、弁護士に相談することをおすすめします。