## ガードレールに当て逃げした時の時効は？ ガードレールに車をぶつけてしまい、そのまま現場を離れてしまった…そんな状況に陥ってしまった場合、気になるのは時効の問題ではないでしょうか。当て逃げは法律違反であり、放置すれば刑事責任や民事責任を問われる可能性があります。

この記事では、ガードレールに当て逃げした場合の時効について、刑事上の時効と民事上の時効に分けて詳しく解説します。さらに、時効が成立するまでの期間や、時効を中断させる方法についても触れていきます。万が一、当て逃げをしてしまった場合は、この記事を参考に冷静に対処してください。

刑事上の時効

ガードレールへの当て逃げは、道路交通法違反（報告義務違反、安全運転義務違反）に問われる可能性があります。これらの罪に対する刑事上の時効は、それぞれ異なります。

• 報告義務違反： 道路交通法第72条に定められた報告義務を怠った場合、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。この罪の時効は、3年です。
• 安全運転義務違反： 安全運転を怠り事故を起こした場合、過失運転致死傷罪などに問われる可能性があります。刑罰は事故の状況や被害者の状況によって大きく異なりますが、時効も罪の重さによって異なり、3年～10年程度となる場合があります。

当て逃げの場合、報告義務違反と安全運転義務違反の両方が成立する可能性があり、それぞれの罪に対して時効が適用されます。より重い罪の時効が優先されるわけではないため、注意が必要です。

民事上の時効

ガードレールを破損した場合、その修理費用を賠償する責任が発生します。この賠償責任は、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求権として扱われ、時効が適用されます。

民法の改正により、2020年4月1日以降に発生した事故については、以下のいずれか早い方が時効となります。

• 損害および加害者を知った時から3年
• 不法行為の時から20年

つまり、ガードレールを破損させた事実と加害者（自分自身）を知った時から3年、または事故発生から20年が経過すると、賠償責任を免れる可能性があります。しかし、現実的には、加害者を特定するまでに時間がかかる場合もあり、時効の成立は容易ではありません。

時効の中断（更新）

時効は、一定の事由が発生すると中断（更新）され、それまで経過した期間がリセットされます。時効の中断事由としては、主に以下のものが挙げられます。

• 逮捕、起訴などの刑事手続き
• 裁判上の請求
• 債務の承認（弁済、一部弁済、和解など）

警察が捜査を開始し、逮捕や起訴に至った場合、刑事上の時効は中断されます。また、ガードレールの管理者（多くは地方自治体）が損害賠償請求訴訟を起こした場合、民事上の時効は中断されます。さらに、加害者自身が賠償責任を認めて一部弁済などを行った場合も、時効は中断されます。

当て逃げをしてしまったら

ガードレールに当て逃げしてしまった場合は、速やかに警察に連絡し、事故状況を報告することが重要です。また、ガードレールの管理者にも連絡し、破損状況を伝え、今後の対応について協議しましょう。放置すれば、より大きな問題に発展する可能性があります。誠実な対応が、事態の悪化を防ぐことにつながります。

弁護士に相談することも有効な手段です。特に、事故の状況が複雑な場合や、相手方との交渉が難航している場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。弁護士は、法的な観点から適切なアドバイスを提供し、あなたの権利を守ってくれます。