## 不法行為責任の時効は？ 交通事故に遭われた際、加害者に対して損害賠償請求を行う権利が発生します。しかし、この権利は永久に有効なわけではありません。一定期間が経過すると、時効によって権利が消滅してしまう可能性があります。

今回は、交通事故における不法行為責任の時効について、詳しく解説していきます。時効期間、起算点、時効中断の方法など、知っておくべき重要なポイントを網羅的にご紹介します。交通事故被害に遭われた方は、ぜひ参考にしてください。

不法行為責任の時効期間

民法724条によると、不法行為による損害賠償請求権の時効期間は、以下のいずれか早い方となります。

* **損害及び加害者を知った時から3年** * **不法行為の時から20年**

つまり、交通事故の場合、以下のようになります。

* **損害及び加害者を知った時から3年:** 例えば、事故直後は怪我の程度が分からず、後日になって症状が悪化した場合は、症状が悪化したことを知った時点から3年となります。 * **交通事故の時から20年:** 事故発生から20年が経過すると、たとえ損害や加害者を認識していなくても、時効が成立します。

この2つの期間のうち、どちらか早く満了する方が適用されます。

時効の起算点

時効の起算点は、時効期間のカウントが開始される日を指します。交通事故における時効の起算点は、上記で説明した通り、「損害及び加害者を知った時」と「不法行為の時」です。

「損害及び加害者を知った時」は、単に事故が発生したことだけでなく、損害の内容（治療費、慰謝料など）と加害者の特定が必要です。加害者が不明な場合は、加害者を特定した時点から起算されます。

「不法行為の時」は、交通事故が発生した日を指します。

時効の中断（更新）

時効は、一定の事由が発生すると、中断（または更新）されます。時効が中断されると、それまで経過した期間はリセットされ、新たに時効期間が開始されます。時効を中断させる主な方法は以下の通りです。

* **裁判上の請求:** 訴訟を提起すること。 * **支払督促:** 裁判所を通じて、加害者に対して支払いを督促すること。 * **民事調停:** 裁判所を介して、加害者と損害賠償について話し合うこと。 * **債務の承認:** 加害者が損害賠償責任を認めること（示談書、念書など）。

これらの方法を行うことで、時効の成立を阻止し、損害賠償請求権を維持することができます。

時効完成猶予

時効完成猶予とは、一定の事由が発生した場合に、時効の完成が一時的にストップすることを指します。時効完成猶予期間が終了すると、残りの時効期間が再び進行します。例えば、当事者間で話し合い（協議）を行っている場合などが該当します。

弁護士に相談するメリット

不法行為責任の時効は、複雑な要素が絡み合う場合があります。時効期間の計算、起算点の判断、時効中断の手続きなど、専門的な知識が必要となる場面も少なくありません。

交通事故被害に遭われた場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、個々の状況に合わせて適切なアドバイスを行い、時効の成立を阻止するためのサポートを提供してくれます。また、加害者との交渉や訴訟手続きを代行することで、被害者の負担を軽減し、適正な損害賠償を得るための手助けをしてくれます。

当事務所では、交通事故被害に遭われた方のために、無料相談を実施しております。お気軽にご相談ください。