2026-03-06 86
交通事故に遭ってしまい、一命を取り留めた安堵の中で、「痛みが引いたから」といって治療をサボってしまうケースや、仕事が忙しいからと長期の通院を避ける方も少なくありません。こうした方々が最も懸念するのが、「通院回数が少ない=示談金が安くなる」という点です。
実は、この「通院が少ないと不利」という考え方は、一見すると当たっているように聞こえますが、法律や保険実務の観点から見ると、必ずしもその通りではありません。しかし、その逆説的な事実を理解せずに示談に応じてしまうと、本来受け取れるべき補償を取りこぼしてしまうリスクがあります。ここでは、交通事故の示談交渉において、通院回数が少ないことがどのように影響するのか、そして何をすべきかについて詳しく解説します。
まず、なぜ「通院回数」が重要視されるのかというと、それは単なる「数」そのものではなく、それが「治療実績」や「症状の客観的証拠」に直結するからです,交通事故の損害賠償請求において、加害者側(保険会社)は、被害者に対してどのような補償をするのかを決定します。その際、まず考えるのが「損害の程度」です,損害とは、身体的な傷害(怪我)によるものです。
怪我の程度を客観的に証明する最も強力な資料は、病院の受診記録(カルテ)です,通院回数が少なければ、その分、カルテ上に記載される「診断書」や「治療経過」の記録も少なくなります。もし示談交渉の段階で、被害者が「背中が痛い」と主張するものの、病院に行っていない、あるいは一度行ったきりで通院していないという状況であれば、保険会社は「その痛みは本気ではないのではないか」「事故との因果関係が不明確ではないか」と疑ってしまいます。
その結果、本来認められるべき「慰謝料」や「入通院慰謝料」が減額される可能性が高まります,特に「入通院慰謝料」は、通院期間に基づいて算定されるものですが、通院期間が短ければ、その分の金額も当然少なくなります。これが「通院が少ないと不利」という根本的な理由です。
では、「痛みが引いたからといって無理に通院すべきか?」という疑問が生まれます,答えは「いえ、全く行かないよりは、ある程度行くべき」ですが、「無理に長期通院をする必要もありません」と言えます。
重要なのは、「症状が出ている間は治療を継続し、証拠を残す」という点です,例えば、交通事故で首を痛めても、数日後に痛みが引いてしまい、それ以上治療が必要ないと感じるケースがあります。しかし、これを放置してしまうと、後になって「首が痛い」と訴えても、病院に行っていないため証拠がありません。また、数日後に再発して痛みが出たとしても、最初の受診時期が不明確になっているため、因果関係の証明が難しくなります。
したがって、医師から「治療を終了してよい」と言われた場合でも、「今後も症状の変化があるかもしれないので、定期的に様子を見てもらいたい」と医師に伝え、数回通院して症状の経過を記録に残すことが推奨されます。これにより、示談時に「痛みは完全に治ったが、一時期はあった」という事実を客観的に証明できるため、示談金の減額リスクを防ぐことができます。
また、通院回数が少ないことによるもう一つのリスクは、「精神的苦痛」の評価が下がることです,交通事故による精神的苦痛(慰謝料)は、怪我の重症度に応じて評価されます,通院回数が少ないと、怪我が軽微であったと判断されがちになり、その結果、精神的苦痛に対する慰謝料も減額される可能性があります。しかし、痛みが強かった期間や、精神的に不安定だった期間が確実にあったのであれば、その期間を証明できる通院記録があれば、それを根拠に減額を防ぐことができます。
一方で、無理に通院を重ねすぎて、本来治らない症状を「治療が必要」として請求する(いわゆる「通院代の不正請求」や「偽装通院」)ことは、法律上も倫理的にも問題があります。これがバレると、示談金が激減するだけでなく、損害賠償請求権が消滅するリスクさえあります。したがって、無理な通院は避け、医師の診断に基づいた適切な治療と証拠保全を行うことが鉄則です。
示談交渉において、通院回数が少ないからといって安易に諦めてはいけません。まずは、自身の怪我の程度と、今後の治療計画を医師とよく相談してください。そして、もし可能であれば、交通事故専門の弁護士に相談することをお勧めします,弁護士であれば、通院回数が少なかったとしても、その状況下でどのように主張すべきか、あるいはどうやって減額を防ぐべきかを的確にアドバイスしてくれます。
結論として、通院回数が少ないからといって必ずしも不利になるとは限りませんが、「怪我の事実とその程度を証明するための通院記録を残さない」ことは、絶対に不利になるリスクを高めます。 痛みがある間はしっかりと治療を受け、示談交渉の際にはその事実を鮮明にすることが、自分自身の権利を守るための最善の策なのです。
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