交通事故の損害賠償,既往症と既存障害の違いと注意点

 2026-03-17    31  

交通事故に遭われた被害者の方々の中には、怪我の治療や示談交渉において、医療用語としての「既往症」と、賠償請求において重要な意味を持つ「既存障害」の違いを理解されずに困惑されるケースが少なくありません,実は、この2つの言葉を混同してしまうと、本来受け取れるべき賠償金が減額されてしまうリスクがあります,本記事では、交通事故弁護士として、これら2つの概念の明確な定義、その違い、そして損害賠償額に与える具体的な影響について解説します。

まず、その違いを理解するために、それぞれの定義を確認しましょう。

交通事故の損害賠償,既往症と既存障害の違いと注意点

既往症とは 「既往症(きおうしょう)」とは、交通事故が発生するにすでに患っていた病気や怪我のことを指します,例えば、持病である高血圧、糖尿病、あるいは過去に骨折をしたことによるヒビなどがこれに当たります。これは「事故によって発症したもの」ではなく、事故の前にすでに身体の中に存在していた状態を指します。

既存障害とは 一方、「既存障害(きそしょうがい)」とは、事故によって症状が悪化した部分や、事故の影響で新たに生じた障害のことを指します。ただし、単に「事故前にあった病気が完治していない状態」を指すのではなく、交通事故という「外的原因」があって初めて「障害」として認定される部分を指します,例えば、すでに椎間板ヘルニアを患っていた方で、交通事故でさらに椎間板が突出し、神経圧迫が強まった場合、その悪化した部分は「既存障害」として扱われます。

両者の決定的な違い 既往症と既存障害の最大の違いは「時間的経過」と「因果関係」にあります。

  • 時間的経過: 既往症は「事故前」、既存障害は「事故後」に生じたものです。
  • 因果関係: 既往症は、病気そのものが原因です,一方、既存障害は「事故」という原因が、既存の状態に加わることで生じた障害です。

損害賠償への影響 この違いは、賠償金の算定において非常に重要です,交通事故の損害賠償において、既往症と既存障害は以下のように扱われます。

A. 既往症による減額 保険会社や加害者は、事故によって生じた損害を限りなく求めようとします。その際、被害者の身体に既存の不調があった場合、「治療が長引くのは、事故のせいだけではないのではないか?」という理由で、治療費や通院慰謝料を減額しようとする可能性があります。これを「既往症による減額」と呼びます。しかし、これが必ずしも正当とは限りません。もし既往症の治療と事故の治療が明確に分かれているのであれば、減額されるべきではないケースも多いです。

B. 既存障害補償制度 これが最も重要なポイントです,日本の交通事故損害賠償において、法律(自賠法や民法)には「既存障害補償制度」というものが存在します。これは、被害者の身体に既存の障害があったとしても、事故によってその障害が悪化し、機能障害が増大した場合には、その悪化分についての賠償(障害慰謝料や逸失利益)を認めるという仕組みです。

つまり、「既往症」という言葉に怯える必要は全くありません,重要なのは、「事故によってどの程度症状が悪化したか」を証明することです。もし、事故前のMRI画像と、事故後のMRI画像を比較して、明らかに病状が悪化していることが分かるならば、その分を「既存障害」として請求することが可能です。

弁護士への相談の重要性 「既往症」と「既存障害」の区別は、専門的な医学的知識や法律知識が必要です,例えば、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)がある方の場合、普通の衝撃で骨折してしまうことがあります。この場合、骨折は「既存障害」ではなく単なる「怪我」として扱われることが多いですが、もし骨粗鬆症が存在したために骨折が起きやすくなったのであれば、その要因について賠償請求の検討が必要になる場合もあります。

また、減額を主張してくる保険会社に対し、「既往症だから減額すべき」という主張を一方的に認めるのは、被害者の権利を守る上で危険です,事故前の病状と、事故後の症状との因果関係を厳密に証明するためには、専門的なリポートの作成や、弁護士による適切な交渉が不可欠です。

結論 交通事故の賠償において「既往症」と「既存障害」は全く異なる概念です,既往症は事故前の状態を示す言葉ですが、それが原因で減額されるべきかどうかはケースバイケースです。しかし、事故によって症状が悪化した部分は「既存障害」としてしっかりと請求すべき権利です,怪我の状態が複雑で不安な場合は、迷わず交通事故専門の弁護士にご相談ください,適切なアドバイスと交渉によって、本来受け取るべき賠償金を確実に手に入れることができます。

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