交通事故に遭い、大きなけがをしてしまった場合、多額の賠償金を受け取る権利があります。しかし、相手方の経済状況が悪く、賠償金の支払いが困難なケースも少なくありません。このような場合、被害者は泣き寝入りするしかないのでしょうか？

実は、賠償金の支払いが困難な場合でも、被害者が受け取ることができる救済措置があります。以下に、その対処法と手続きについて説明します。

自賠責保険

自賠責保険とは、すべての自動車に対して加入が義務付けられている保険です。自賠責保険では、加害者が賠償金の支払いが困難な場合でも、被害者に一定の保障が受けられます。ただし、自賠責保険で補償されるのは、以下の損害に限られます。

• 治療費
• 通院交通費
• 休業損害
• 死亡慰謝料
• 葬儀費用

任意保険

任意保険とは、自賠責保険の補償を上回る損害を補償する民間の保険です。任意保険に加入していた場合、自賠責保険で補償されない損害も、任意保険で補償される可能性があります。ただし、任意保険の補償内容は各保険会社によって異なりますので、契約内容をしっかりと確認しておくことが大切です。

被害者請求権

加害者が保険に加入しておらず、かつ賠償金の支払いが困難な場合、被害者は加害者に対して直接請求を行うことができます。この請求権を「被害者請求権」といいます。被害者請求権を行使するには、裁判所に訴訟を提起する必要があります。

公的扶助

被害者が経済的に困窮している場合、公的扶助を利用することができる場合があります。公的扶助には、生活保護や障害者年金などがあります。公的扶助を利用するためには、市町村役場などの窓口で申請を行う必要があります。

以上が、賠償金の支払いが困難な場合の対処法と手続きです。交通事故に遭ってしまい、賠償金の支払いに不安がある場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。