損益相殺と労災の仕組み(相殺と労災)

 2024-07-22    131  

交通事故に遭った場合、被害者はさまざまな損害を被ることになります。その中には、治療費や慰謝料などの経済的損害だけでなく、仕事ができないことによる収入の減少といった逸失利益も含まれます。被害者が労働者であれば、労災保険から給付を受けられる可能性があります。しかし、労災保険から給付を受けると、加害者に対して損害賠償請求をする際に、給付金の額が損害額から相殺されてしまうことがあります。この相殺を「損益相殺」といいます。

損益相殺とは

損益相殺とは、被害者が加害者に対して損害賠償請求をする際に、被害者がすでに受け取った給付金や保険金などの金額が、損害額から差し引かれることをいいます。これは、被害者が同一の損害に対して二重に補償を受けることを防止するために行われます。

損益相殺と労災の仕組み(相殺と労災)

労災と損益相殺

労災保険から給付を受けると、加害者に対して損害賠償請求をする際に、給付金の額が損益相殺の対象となります。具体的には、次の給付金が相殺の対象となります。

  • 療養補償給付
  • 休業補償給付
  • 障害補償給付
  • 遺族補償給付
  • 葬祭料

損益相殺の対象とならない給付金

労災保険から給付されるすべての給付金が損益相殺の対象となるわけではありません。次の給付金は相殺の対象となりません。

  • 通勤手当
  • 通院手当
  • 介護手当
  • 付添看護手当
  • 慰謝料

損益相殺の割合

損益相殺の割合は、被害者の収入や年齢などによって異なります。一般的には、被害者の収入が低いほど、相殺される割合が高くなります。また、被害者の年齢が高いほど、相殺される割合も高くなります。

損益相殺の影響

損益相殺は、被害者が受け取れる損害賠償金の額に大きな影響を与えます。損害賠償金の額が減額されると、被害者の生活に大きな影響が出る可能性があります。そのため、交通事故に遭った場合は、損益相殺の仕組みを理解し、適切な対応をとることが重要です。

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