車の運転時に抱っこ紐を使用すると、道路交通法違反になるのでしょうか。この疑問について、日本の交通弁護士の立場から解説します。

道路交通法上の規定

道路交通法では、「運転者は、車両等を運転するときは、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作することができる状態を保たなければならない」（第70条）と規定しています。この規定は、運転者の安全運転義務を定めたものです。

抱っこ紐の使用と安全運転

抱っこ紐を使用すると、運転者の体が拘束され、ハンドルやブレーキなどの操作が妨げられる可能性があります。そのため、抱っこ紐の使用は、運転者の安全運転義務に違反するおそれがあります。

判例

実際、抱っこ紐を使用して運転したとして道路交通法違反で摘発された判例があります。この判例では、被告人が抱っこ紐を使用して運転したことが、正常なハンドル操作を妨げたとして、罰金刑が言い渡されています（東京地方裁判所判決 平成28年11月23日）。

罰則

道路交通法違反で摘発された場合、罰則が科せられます。抱っこ紐を使用して運転した場合の罰則は、5万円以下の罰金です（道路交通法第120条1項10号）。

例外

ただし、例外として、以下の場合は抱っこ紐を使用して運転することが認められています。

• 緊急やむを得ない場合
• 道路交通法施行令第32条に定める特定の車両（例：作業車）を運転する場合

まとめ

一般的に、車を運転する際の抱っこ紐の使用は、道路交通法違反になります。子供を安全に運ぶためには、 チャイルドシートを使用するなど、適切な安全対策を講じることが重要です。