交通事故に遭ってしまった場合、被害者には慰謝料と損害賠償の請求権が発生します。この2つの請求権は、その対象が異なるため、それぞれの特徴や計算方法が異なります。

この記事では、この2つの請求権の違いについて、日本交通弁護士の観点から解説します。

慰謝料

慰謝料とは、事故による身体的?精神的苦痛に対する損害賠償です。具体的には、以下のような項目が対象となります。

• 入院?通院にかかった費用
• 後遺症による障害や痛みによる苦痛
• 休業による逸失利益
• 精神的苦痛（トラウマ、不安障害など）

慰謝料の額は、負傷の程度、後遺症の有無、事故の責任割合などに応じて算定されます。裁判所が示した慰謝料算定基準を参考にして計算されます。

物損事故の賠償

物損事故の賠償とは、事故によって損害を受けた物の修理?交換費用などに対する損害賠償です。具体的には、以下のような項目が対象となります。

• 車両の修理?交換費用
• 建物?看板などの物的損害
• 休業による逸失利益
• 代替車両のレンタル費用
• レンタカーなどの追加費用

物損事故の賠償額は、損害の程度や事故の責任割合に応じて算定されます。損害の証明には、修理見積書やレシートが必要です。

慰謝料と物損事故の賠償の違い

慰謝料と物損事故の賠償の違いをまとめると、以下のようになります。

項目	慰謝料	物損事故の賠償
対象	身体的?精神的苦痛	損害を受けた物
計算基準	負傷の程度、後遺症の有無	損害の程度
必要書類	診断書、領収書	修理見積書、レシート

交通事故で被害を受けた場合には、これらの請求権の違いを理解し、適切な請求を行うことが重要です。損害賠償額の総額を正確に把握し、正当な補償を得るために、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。