過失致死事件における逸失利益の計算式は、次のとおりです。

逸失利益 = (就業不能期間 × 平均賃金) + (遺族扶養義務期間 × (就業不能期間の平均賃金 × 扶養家族数))

就業不能期間

死亡による就業不能期間は、原則として、死亡年齢から定年年齢（65歳）までとされています。ただし、被災者の健康状態や職業などによって短縮される場合があります。

平均賃金

平均賃金は、被災者の直近の賃金を基に算出されます。具体的には、死亡前の3年間の年収の平均値が用いられます。

遺族扶養義務期間

遺族扶養義務期間は、被災者の死亡当時、扶養していた家族の年齢によって決まります。具体的には、次のとおりです。

• 配偶者：被災者の死亡年齢から65歳まで
• 未成年の子：被災者の死亡年齢から20歳まで
• 学生の子：被災者の死亡年齢から23歳まで
• 障害のある子：被災者の死亡年齢から65歳まで

扶養家族数

扶養家族数とは、被災者が死亡当時、扶養していた家族の数です。配偶者、未成年の子、学生の子、障害のある子が含まれます。

この計算式はあくまで基本的なものであり、個々のケースによって調整される可能性があります。逸失利益の金額は、過失致死事件における重要な損害賠償項目であり、遺族の生活保障に大きく影響します。そのため、正確な金額を算出することが重要です。