## 物損事故はゴールド免許に影響しますか？

交通事故を起こしてしまった際、その事故が人身事故ではなく物損事故だった場合、運転免許証の更新やゴールド免許に影響があるのかどうかは、多くの方が気になる点でしょう。今回は、物損事故がゴールド免許に与える影響について、弁護士の視点から詳しく解説します。

物損事故とは

物損事故とは、交通事故のうち、人身に損害がなく、車両や建物などの物にのみ損害が発生した事故のことを指します。例えば、駐車場で車をこすってしまった、信号待ちで追突してしまったが、誰も怪我をしなかった、といったケースが該当します。

ゴールド免許の定義と条件

ゴールド免許（優良運転者免許証）は、過去5年間無事故無違反の優良な運転者に交付される運転免許証です。ゴールド免許を持っていると、運転免許更新時の講習時間が短縮されたり、保険料が割引されたりするなどのメリットがあります。ゴールド免許の条件は以下の通りです。

• 過去5年間無事故無違反であること
• 免許停止処分を受けていないこと
• 運転免許の更新期間満了日の年齢が70歳未満であること

物損事故と違反点数

物損事故の場合、原則として違反点数が加算されることはありません。なぜなら、物損事故は「道路交通法違反」とはみなされないからです。ただし、物損事故であっても、事故後の対応によっては違反点数が加算される場合があります。

物損事故でも違反点数が加算されるケース

以下のケースでは、物損事故であっても違反点数が加算される可能性があります。

• 事故を起こしたにも関わらず、警察に報告しなかった場合（道路交通法第72条違反：報告義務違反）
• 安全運転義務違反があった場合（例：わき見運転、スピード違反）

これらの違反が認められた場合、違反点数が加算され、ゴールド免許の更新に影響が出る可能性があります。特に、事故を起こしたにも関わらず警察に報告しなかった場合は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる可能性もあります。

物損事故後の対応

物損事故を起こしてしまった場合は、以下の点に注意して対応しましょう。

• 速やかに警察に連絡する
• 相手方の連絡先を確認する
• 事故の状況を記録する（写真などを撮っておくと良い）
• 保険会社に連絡する

警察への報告は義務であり、怠ると罰則の対象となります。また、相手方との間で示談交渉を行う際は、弁護士に相談することで、有利に進めることができる場合があります。

まとめ

物損事故を起こした場合、原則として違反点数が加算されることはありませんが、事故後の対応によってはゴールド免許の更新に影響が出る可能性があります。事故を起こしてしまった際は、速やかに警察に報告し、適切な対応をとることが重要です。万が一、ご自身の対応に不安がある場合は、交通問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。