交通事故に遭ったときに、労災保険に入っていると、さまざまな給付を受けることができます。しかし、労災保険は任意加入ですので、加入するかどうかは事業主の判断に委ねられています。そこで、今回は日本交通労連所属の交通弁護士の視点から、「労災保険には入るべきか」について考えてみましょう。

労災保険に加入するメリット

労災保険に加入するメリットは、主に以下の通りです。

• ケガや病気の治療費や補償が受けられる
• 休業中の賃金の補償が受けられる
• 障害が残った場合の年金や一時金などの補償が受けられる
• 遺族補償が受けられる

交通事故に遭ってしまった場合、治療費や休業中の賃金は大きな負担となります。労災保険に加入していれば、これらの費用を補償してもらえるので、安心感が得られます。

労災保険に加入しないデメリット

一方で、労災保険に加入しないデメリットもあります。

• 治療費や休業中の賃金などを自己負担しなければならない
• 障害が残った場合や死亡した場合に、補償を受けられない

労災保険に加入していないと、万が一の際の補償がありません。治療費や休業中の賃金を自己負担するのは大きな負担となり、生活に困窮する可能性もあります。

労災保険への加入が適している事業主

労災保険への加入は、従業員を雇っている事業主であれば、業種や従業員数に関係なく加入することができます。特に、以下の事業主は労災保険への加入が適しています。

• 従業員が建設業や製造業などの危険を伴う業務に従事している事業主
• 従業員が多数在籍する事業主
• 従業員が頻繁に出張や外回りを行う事業主

加入を検討すべきタイミング

労災保険への加入を検討すべきタイミングとしては、以下のタイミングが挙げられます。

• 新規に事業を開始したとき
• 従業員を雇用したとき
• 従業員の業務内容が変わって危険度が増したとき

まとめ

労災保険は、交通事故に遭った従業員とその家族にとって、治療費や補償の面で大きな助けとなります。加入するかどうかの判断は事業主に委ねられていますが、従業員の安全と事業の継続性を考えるなら、加入を検討することをおすすめします。加入についてご不明な点があれば、交通弁護士にご相談ください。