2025-03-15 2
交通事故後、警察は事故状況を詳しく調査し、実況見分調書を作成します。この調書は、事故の状況を客観的に記録したもので、後の示談交渉や裁判において重要な証拠となります。しかし、調書の内容に基づいて賠償額を決定したり、当事者間の意見の相違を調整したりすることはありません。
示談交渉は、通常、加害者側の保険会社と被害者側で行われます。被害者自身が交渉を行うことも可能ですが、法的な知識や交渉経験がない場合、不利な条件で合意してしまうリスクがあります。そのため、弁護士に依頼することが一般的です。
弁護士は、被害者の代理人として、法的根拠に基づいた適切な賠償額を算出し、保険会社との交渉を行います。また、後遺障害が残った場合の後遺障害等級認定の申請や、裁判になった場合の訴訟手続きも代行します。弁護士に依頼することで、精神的な負担を軽減し、適正な賠償金を得られる可能性が高まります。
例外的に、警察が示談に関与するケースもあります。それは、刑事事件として立件された場合です。例えば、飲酒運転やひき逃げなど、悪質な違反があった場合、警察は加害者を逮捕し、刑事裁判にかけることがあります。この場合、検察官が加害者に対して起訴するかどうかを判断する際に、示談の成立が考慮されることがあります。
示談が成立した場合、加害者は被害者に対して誠意を示したとみなされ、不起訴処分になったり、刑が軽くなったりする可能性があります。しかし、これはあくまで刑事事件における判断であり、民事的な損害賠償とは別の問題です。示談が成立しても、被害者は損害賠償請求権を放棄したことにはなりません。
交通事故に遭われた場合、まずは弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、事故状況を詳しく聞き取り、法的観点から適切なアドバイスを提供します。また、保険会社との交渉を代行し、被害者が不利な条件で合意してしまうことを防ぎます。
特に、以下のようなケースでは、弁護士に相談するメリットが大きいと言えます。
*死亡事故や重傷事故の場合
*後遺障害が残った場合
*過失割合で揉めている場合
*保険会社の提示額に納得できない場合
弁護士費用が心配な方もいるかもしれませんが、弁護士費用特約に加入している場合や、法テラスなどの公的機関を利用することで、費用を抑えることができます。まずは、無料相談などを活用して、弁護士に相談してみることをおすすめします。
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