## 交通事故証明書 貰わないとどうなる? 交通事故に遭われた場合、警察に届け出をすると、交通事故証明書という書類が発行されます。この証明書は、事故の発生を公的に証明する重要な書類ですが、「貰わないとどうなるの？」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、交通事故証明書を取得しない場合に起こりうる影響について解説します。

交通事故証明書は、交通事故の事実を証明する唯一の公的書類です。この証明書がない場合、交通事故の被害者として正当な補償を受けることが難しくなる可能性があります。具体的には、以下のような影響が考えられます。

保険金請求が困難になる

交通事故の被害者が保険金（自賠責保険や任意保険）を請求する際、交通事故証明書は必須となるケースがほとんどです。保険会社は、事故の発生状況や当事者を確認するために、この証明書を必要とします。証明書がない場合、保険会社は事故の存在を疑い、保険金の支払いを拒否する可能性があります。

特に、人身事故の場合、治療費や慰謝料といった高額な保険金が請求されることが多いため、交通事故証明書の重要性はさらに高まります。証明書がないと、これらの費用を自己負担しなければならない事態も考えられます。

示談交渉が不利になる

加害者との示談交渉においても、交通事故証明書は重要な役割を果たします。証明書があることで、事故の発生状況や過失割合などの客観的な情報が得られ、交渉を有利に進めることができます。証明書がない場合、加害者側から事故の存在自体を否定されたり、過失割合を不当に主張されたりする可能性が高まります。

また、弁護士に示談交渉を依頼する場合も、交通事故証明書は必須となります。弁護士は、証明書に基づいて法的根拠のある主張を展開し、被害者の権利を守ります。

後遺障害認定が受けられない

交通事故の後遺症が残った場合、後遺障害認定を受けることで、後遺障害慰謝料や逸失利益といった補償を受けることができます。しかし、後遺障害認定を受けるためには、交通事故と後遺症との因果関係を証明する必要があります。交通事故証明書は、この因果関係を証明するための重要な証拠となります。

証明書がない場合、後遺障害認定機関は、交通事故の存在自体を疑い、認定を拒否する可能性があります。その結果、本来受けられるべき補償を受けられなくなる可能性があります。

例外的に交通事故証明書がなくても対応可能な場合

交通事故証明書がなくても、事故の状況によっては保険金請求や示談交渉が可能なケースもあります。例えば、警察に届け出をしていない物損事故の場合や、事故の相手が保険会社に事故を報告している場合などです。しかし、これらのケースでも、交通事故証明書があった方が手続きがスムーズに進むことは間違いありません。

もし、交通事故証明書を取得していない場合は、早めに警察に相談し、発行手続きを行うことをお勧めします。万が一、発行が難しい場合は、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることを検討してください。

交通事故に遭われた際は、まず警察に届け出て、交通事故証明書を取得することが、ご自身の権利を守る上で非常に重要です。