## 人身事故は必ず減速されますか？

交通事故、特に人身事故に遭われた際、多くの方が「過失割合はどうなるのだろうか？」「減速していれば事故は防げたのではないか？」といった疑問を抱かれることと思います。今回は、人身事故における減速の重要性について、法的側面から解説していきます。

減速の義務と過失

道路交通法では、運転者は、道路状況や交通状況に応じて、安全な速度で運転する義務が定められています。具体的には、以下の状況下では減速が必要です。

• 見通しの悪い場所
• 歩行者や自転車の通行が多い場所
• 雨天や夜間など、視界が悪い状況
• 道路工事現場付近

これらの状況下で減速を怠り、人身事故が発生した場合、運転者の過失が認められる可能性が高くなります。減速義務違反は、安全運転義務違反に該当し、過失割合に影響を与える重要な要素となります。

減速と過失割合

人身事故の過失割合は、事故状況や道路状況、当事者の証言などを総合的に考慮して決定されます。減速の有無は、この過失割合を判断する上で重要な要素の一つです。減速していれば事故を回避できた可能性が高いと判断された場合、減速を怠った運転者の過失割合は大きくなる傾向にあります。

例えば、横断歩道手前で歩行者がいるにも関わらず、減速せずに進行し、歩行者をはねてしまった場合、運転者の過失割合は非常に大きくなるでしょう。一方、減速はしていたものの、避けきれずに事故が発生してしまった場合、過失割合は軽減される可能性があります。

減速の証拠

事故後の過失割合交渉においては、減速していたことを証明することが重要です。そのため、以下の証拠を収集しておくことをお勧めします。

• ドライブレコーダーの映像
• 目撃者の証言
• 事故現場の状況写真
• ブレーキ痕

これらの証拠は、事故状況を客観的に証明する上で非常に有効です。特にドライブレコーダーの映像は、事故発生時の速度や運転操作を記録しているため、重要な証拠となります。

弁護士への相談

人身事故に遭われた場合、過失割合の判断は非常に複雑であり、当事者間での交渉が難航することも少なくありません。そのような場合は、交通事故に精通した弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、法的知識や交渉経験を活かし、適切な過失割合を主張し、被害者の方の権利を守ります。

また、弁護士は、損害賠償請求の手続きや、後遺障害等級認定の申請などもサポートします。適正な賠償金を受け取るためには、弁護士のサポートが不可欠となる場合もあります。

人身事故に遭われた場合は、まずは警察に届け出るとともに、弁護士への相談も検討しましょう。早期に弁護士に相談することで、その後の対応をスムーズに進めることができます。