物損事故の損害はいつまでに支払えばいいですか？

交通事故に遭われた際、人身事故だけでなく物損事故も発生することがあります。物損事故の場合、車やバイクの修理費用、積んでいた物の損害、ガードレールや電柱などの公共物の損害など、さまざまな損害が発生する可能性があります。これらの損害について、加害者（または加害者側の保険会社）からいつまでに支払ってもらえるのか、また、被害者としていつまでに請求する必要があるのか、期限について詳しく解説します。

損害賠償請求権の消滅時効

物損事故による損害賠償請求権には、消滅時効というものが存在します。これは、一定期間が経過すると、損害賠償を請求する権利が消滅してしまうという制度です。民法改正により、2020年4月1日以降に発生した事故については、以下のいずれか早い方が適用されます。

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損害および加害者を知った時から5年

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不法行為の時から20年

つまり、事故発生から20年経過すると、たとえ損害や加害者を後で知ったとしても、損害賠償を請求することはできなくなります。また、損害と加害者を早く知ったとしても、5年以内に請求しなければ権利が消滅してしまうことになります。

時効の起算点

時効の起算点は、「損害および加害者を知った時」です。これは、単に事故が発生したことを知っているだけでなく、具体的な損害額や、誰が加害者であるかを特定できた時点を指します。例えば、修理見積もりが出て損害額が確定した時点などが該当します。

時効の完成を阻止する方法

損害賠償請求権の時効が完成するのを阻止するためには、以下の方法があります。

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内容証明郵便による請求：相手方に対し、損害賠償を請求する旨を内容証明郵便で送付します。これにより、時効の完成を一時的に猶予することができます（時効の更新）。

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示談交渉：相手方と示談交渉を行い、合意書を作成します。合意書には、損害賠償額や支払い方法などを明記します。

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調停?訴訟：示談交渉がまとまらない場合は、裁判所に調停を申し立てたり、訴訟を提起したりします。これにより、時効の完成を阻止することができます（時効の完成猶予）。

保険会社との交渉

通常、物損事故の場合、加害者側の保険会社が対応します。保険会社との交渉は、専門的な知識が必要となる場合もあります。保険会社は、損害額をできるだけ抑えようとする傾向があるため、提示された金額が妥当かどうか、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士への相談

物損事故の損害賠償請求は、複雑な手続きや交渉が必要となる場合があります。特に、損害額が大きい場合や、過失割合について争いがある場合は、弁護士に相談することで、適切な賠償を受けられる可能性が高まります。弁護士は、法律の専門家として、あなたの権利を守り、交渉を代行してくれます。また、時効の管理や、適切な請求方法についてもアドバイスを受けることができます。交通事故に遭われた際は、早期に弁護士に相談することをおすすめします。