2026-03-24 26
交通事故の被害に遭われた際、傷害の治療が進むにつれて「以前からあった病気(既往症)」が影響を及ぼしていることがあります。これにより、被害者が本来受け取るべき賠償金が減額されたり、請求が拒否されたりするケースは珍しくありません,交通事故において「既往症」とは何を意味し、どのように対処すべきのでしょうか,弁護士として、重要なポイントを解説します。
既往症とは何か
「既往症」とは、交通事故が発生する以前から既に存在していた病気や怪我のことを指します,例えば、以前に腰椎椎間板ヘルニアで手術を受けた経験がある、あるいは高血圧や糖尿病などの持病がある場合などがこれに当たります。ただし、単に「昔病気を患っていた」という事実だけでなく、その病気が今回の怪我の治療や回復にどのような影響を与えたかが争点となります。
既往症と事故の因果関係の3つのパターン
交通事故の損害賠償において、既往症が絡む場合、大きく分けて3つのパターンが考えられます。
パターンA:既往症がない場合 事故による直接の怪我のみであれば、その治療費や逸失利益などが全額賠償対象となります。
パターンB:既往症が加重(かじゅう)した場合 事故以前は症状が安定していたか、軽微なものであったものが、事故によって症状が悪化した場合です。この場合、事故による「悪化分」についての賠償が認められます。これが最も一般的なケースです。
パターンC:既往症が誘因(ゆういん)された場合 完全に治った病気が、事故の衝撃によって再発した場合です。これが最も争いが多く、医師の診断書や専門的な証拠が必要になります。
保険会社の主張と証明責任
加害者側の保険会社は、被害者の怪我が「既往症の影響」によるものであり、事故とは因果関係がないと主張することがあります,特に「誘因」の場合、保険会社は「以前から持っていた病気が、ちょっとした衝撃で再発したに過ぎない」と主張して賠償を減額しようとします。
ここで重要なのは、被害者側が「因果関係がある」ことを証明する責任がある点です。ただ「昔あった病気」と言うだけでは不十分です,事故と既往症との関連性を示すための医学的な根拠が必要となります。
証拠の収集と専門家の助言
既往症の問題を解決するためには、確実な証拠が不可欠です,以下のものを集めることが大切です。
まとめ
既往症があるからといって、被害者が損をするわけではありません,問題は、事故による「悪化」や「再発」が客観的に証明できるかどうかです,保険会社との交渉は複雑で、専門的な知識が必要となります。もしあなたが交通事故で既往症の問題を抱えている場合は、一人で悩まず、交通事故に詳しい弁護士に相談することを強くお勧めします,適切なアドバイスを得ることで、本来受け取るべき賠償金を確実に手に入れることができるでしょう。
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