高次脳機能障害の就労事例は？

交通事故による高次脳機能障害（以下、高次脳）を負った方の就労事例についてご紹介します。高次脳は、事故により脳が損傷することで、記憶力や注意力、思考力などに障害が起こる症状です。就労が困難になるケースも多く、就労支援が必要になります。

個別支援による職場定着

具体的には、専門の就労支援員が、個々の状態や希望に合わせて、職場環境の調整や業務内容の変更、働き方に関する支援を行います。例えば、次のような事例があります。

• 記憶力に障害があり、業務内容を覚えられないケース：業務手順書の作成や、業務内容の簡素化による支援
• 注意力が散漫なケース：集中しやすい環境の確保や、休憩時間の調整による支援
• コミュニケーションに障害があり、対人関係がうまくいかないケース：職場での人間関係に関するアドバイスや、コミュニケーションスキルのトレーニング

障害者雇用を活用したケース

障害者雇用制度を活用して就労するケースもあります。障害者雇用制度では、法定雇用率（一定規模以上の企業は従業員の2.3％以上）を満たすよう、障害者を雇用することが義務付けられています。障害者手帳を所持している方は、この制度を利用することで、通常の雇用形態とは異なる優遇措置を受けられます。

• 特別支援学校の職員として勤務しているケース
• 事務補助員として勤務しているケース

リワークプログラムを活用したケース

また、リワークプログラムを活用して就労を目指すケースもあります。リワークプログラムとは、高次脳や精神疾患等の障害により就労が困難な方を対象とした、就労復帰支援プログラムです。専門の医師やセラピスト、就労支援員等がチームを組んで支援を行います。

• 就労に必要なスキルを再訓練する
• 職場復帰に向けた心理的なサポートを行う
• 職場での適応を支援する

高次脳を負った方の就労支援には、個別支援や障害者雇用、リワークプログラムなど、さまざまな方法があります。ご自身の状態や希望に合わせて、ぜひ適切な支援を選択してください。