車の物損事故による保険の適用や補償について教えてください。

交通事故が発生した際に、車両に損害が発生した場合の保険適用や補償について解説いたします。

日本では、自動車損害賠償責任保険（自賠責保険）への加入が義務付けられています。自賠責保険は、交通事故によって他人にケガを負わせた場合の補償を目的としたもので、車両の損害は対象外です。

車両保険

車両に損害が発生した場合に備える保険として「車両保険」があります。車両保険は任意加入の保険で、加入していれば、自賠責保険では補償されない車両の損害を補償することができます。車両保険には、以下のような種類があります。

• 対物補償
• 車両補償
• 人身傷害補償
• 搭乗者傷害補償

対物補償は、事故によって他人の車両や建物などに損害を与えた場合の補償を、車両補償は、自分の車両に損害が発生した場合の補償を、人身傷害補償は、事故によって自分がケガをした場合の補償を、搭乗者傷害補償は、事故によって同乗者がケガをした場合の補償をそれぞれ補償します。

過失割合と補償額

交通事故において、どちらの過失が大きかったかによって、補償額が変わります。過失割合は、自賠責保険と車両保険の両方で考慮されます。

自賠責保険では、加害者の過失割合が70％以上の場合は被害者に全額が、加害者の過失割合が50％以上70％未満の場合は被害者に8割が、加害者の過失割合が30％以上50％未満の場合は被害者に6割が、加害者の過失割合が10％以上30％未満の場合は被害者に4割が、加害者の過失割合が10％未満の場合は被害者に2割が支払われます。

車両保険では、契約内容によって過失割合による補償額の差が異なります。過失割合が0％の場合に全額補償、過失割合が50％の場合に半額補償、過失割合が10％の場合に全額補償など、さまざまなパターンがあります。

交通事故に遭われた場合、保険による補償の範囲や限度額を十分に確認し、適切な対応をすることが大切です。交通事故に遭った際は、お急ぎで弁護士にご相談ください。