遷延性意識障害とは、外傷や病気などにより脳が損傷を被り、意識が長期間障害された状態を指します。交通事故が原因となるケースも多く見られます。

遷延性意識障害の特徴

遷延性意識障害には、以下の特徴があります。

• 意識レベルが低下しており、刺激に対する反応が乏しい
• 自発的な運動や言語発声が困難 or 不可能
• 睡眠と覚醒のリズムが乱れている（睡眠障害）
• 目を開けるか閉じており、焦点が合っていない
• 食事や排泄がサポートなしでは困難

遷延性意識障害の段階

遷延性意識障害は、重症度に応じて3つの段階に分類されます。

無反応状態

この段階では、患者はほとんど反応を示さず、昏睡状態に近い状態です。自発的な運動や言語発声はできません。

最小意識状態（MCS）

この段階では、患者はわずかな意識の回復を示します。簡単な命令に従ったり、目を開閉したり、簡単な単語を発したりすることができます。

閉じ込め症候群（LIS）

この段階では、患者は意識が回復していますが、身体が麻痺しており、コミュニケーションが困難です。目を動かすことができたり、瞬きで意思表示をしたりする場合があります。

遷延性意識障害の治療と予後

遷延性意識障害の治療は、状態の改善を目的として行われます。治療には、リハビリテーション、薬物療法、外科的手術などが含まれます。予後は、脳損傷の重症度や治療への反応によって異なります。