交通事故の被害者にとって、後遺症は深刻な問題です。後遺症の程度によって、治療費や慰謝料の金額が大きく変わります。しかし、後遺症の等級はどのように決まるのでしょうか。ここでは、交通事故における後遺症等級の決め方を詳しく説明します。

後遺障害等級認定基準

後遺症の等級は、後遺障害等級認定基準に基づいて決まります。この基準は、厚生労働省が定めており、次の9つの等級で構成されています。

1. 1級: 日常生活に著しい制限がある状態
2. 2級: 日常生活に中程度の制限がある状態
3. 3級: 日常生活に軽度の制限がある状態
4. 4級: 日常生活に支障はないが、労働能力の低下がある状態
5. 5級: 日常生活に支障はないが、軽度の労働能力低下の状態
6. 6級: 日常生活に支障がなく、軽度の労働能力低下がある状態
7. 7級: 日常生活に支障がなく、労働能力の低下はない状態
8. 8級: 軽度の後遺症がある状態
9. 9級: 軽度の後遺症がある状態

後遺症等級の決め方

後遺症の等級は、医師の診断書に基づいて決められます。医師は、被害者の症状や検査結果を総合的に考慮し、後遺障害等級認定基準に照らして等級を判定します。ただし、医師の判断が必ずしも公正とは限りません。被害者が納得できない場合は、別の医師に診断書を作成してもらったり、自賠責保険会社に異議を申し立てたりすることができます。

等級認定の注意点

後遺症等級の認定には、いくつかの注意点があります。

• 後遺症の症状は時間が経過して変化することがあります。等級は、症状が固定した時点で認定されます。
• 後遺症の症状が複数の等級に該当する場合、最も重い等級が認定されます。
• 後遺症が精神的なものの場合、客観的な評価が難しいことがあります。そのため、精神的な後遺症の等級認定は、慎重に行われます。

交通事故で後遺症が残ってしまった場合、後遺症等級の認定は非常に重要です。認定された等級によって、治療費や慰謝料の金額が大きく異なります。そのため、被害者は、医師の診断書を慎重に確認し、納得できない場合は、異議を申し立てることが大切です。