交通事故に関する法律でよく聞く「過失」とは、どのような意味なのでしょうか？

過失とは、正当な注意を払うべき時にそうしなかったために、他人に損害を加えた場合に成立する責任です。つまり、過失とは「注意義務違反」のことを言います。

注意義務とは

注意義務とは、社会通念上、その立場にある人が一般的に有すべき注意の程度のことです。例えば、自動車運転者は、交通事故を起こさない程度の注意義務を負っています。この注意義務違反によって交通事故が発生した場合、運転者に過失が認められることになります。

故意との違い

過失は故意とは異なり、損害を与えることを目的として行為をした場合ではありません。過失では、単に注意を怠ったことで損害が発生した場合に限ります。例えば、飲酒運転で交通事故を起こした場合、これは「故意」による事故となります。一方、一時停止義務のある交差点で一時停止を怠って交通事故を起こした場合は、「過失」による事故となります。

過失の程度

過失には、その程度によって軽過失、過失、重大過失の3段階に分けられます。

• 軽過失：一般的に予想される注意義務を怠った程度
• 過失：一般的に予想される注意義務を著しく怠った程度
• 重大過失：一般的に予想される注意義務を著しく怠り、重大な損害が発生した程度

過失の立証責任

交通事故で損害を受けた被害者は、加害者の過失を立証する責任があります。ただし、被害者側の過失が認められる場合は、過失相殺によって損害賠償額が減額される可能性があります。