交通事故において、相手に過失があった場合、被害者は逸失利益を請求できます。逸失利益とは、事故によって生じた収入の減少や将来的な収入を得る機会の喪失などを指します。

逸失利益の範囲

逸失利益の範囲は、ケースによって異なりますが、一般的には以下の要素が考慮されます。

事故前の収入：事故発生時の収入や将来の収入見込み 事故による収入の減少：事故によって失った収入や将来失うと予想される収入 労働能力の喪失：事故による負傷や障害によって、労働能力が低下した場合の収入減少 将来の収入機会の喪失：事故によって、昇進や転職など、将来の収入を得る機会を喪失した場合の損害

逸失利益の算定方法

逸失利益の算定方法は、収入の減少額を基礎として、将来の収入見込みや労働能力の喪失率などを考慮して算定されます。具体的には、以下の方法が用いられます。

収入減少額の算出：事故発生前後の収入を比較し、収入減少額を算出します。 将来収入見込みの算定：事故発生時の年齢や職業、過去の収入実績に基づき、将来の収入見込みを算定します。 労働能力喪失率の算定：医師の診断書や後遺障害等級認定書に基づき、労働能力喪失率を算定します。

認められる範囲

逸失利益の範囲は、因果関係が明確である場合に限り認められます。また、逸失利益は将来の不確定な損害であるため、裁判所において慎重に判断されます。

一般的に、以下のような場合は逸失利益が認められにくい傾向があります。

事故が軽微で、収入への影響がほとんどない場合 被害者が故意または過失によって収入減少を招いた場合 被害者が事故後、適切な治療やリハビリを受けず、労働能力の回復が遅れた場合

まとめ

逸失利益の範囲は、ケースによって異なるため、交通事故に遭われた方は、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、逸失利益の算定方法や認められる範囲について適切にアドバイスし、被害者に適正な補償を受けるためのサポートを提供できます。