交通事故に遭うと、治療費や休業損害など多額の出費を強いられます。健康保険は、原則として交通事故によるケガに対して適用されますが、給付を打ち切られるケースがあることをご存じでしょうか。今回は、交通事故治療費の健康保険適用と打ち切りの条件について解説します。

健康保険の適用範囲

交通事故によるケガに対しては、自賠責保険が優先的に適用されます。自賠責保険の補償範囲を超えた場合や、自賠責保険が適用されない場合には、健康保険が適用されます。健康保険の適用範囲は、交通事故によって負ったケガのみとなります。

打ち切りの条件

健康保険の給付は、交通事故によるケガが治癒するまでの間、原則として適用されます。しかし、以下のような条件に当てはまると、給付が打ち切られる場合があります。

• 治癒期間の経過：ケガの症状が改善せず、治癒期間が3年以上経過した場合
• 後遺症の固定：ケガが後遺症として固定され、治療が終了した場合
• 治療の継続が不適切：適切な治療を受けていないと判断された場合
• 他の給付金の受給：自賠責保険や労災保険など、他の給付金を受給している場合

打ち切りの手続き

健康保険の給付が打ち切られる場合は、保険者から通知があります。通知を受け取った場合は、速やかに保険者に連絡し、打ち切りの理由を確認しましょう。打ち切りの理由に異議がある場合は、審査請求を行うことができます。

打ち切りを避けるために

健康保険の給付が打ち切られないようにするためには、以下のようなことに注意しましょう。

• 適切な医療機関を受診し、治療を継続する
• 医師の指示に従い、治療計画を作成する
• 他の給付金を受給している場合は、保険者に届出る
• 治療費の領収書を保管しておく

まとめ

交通事故によるケガの治療費は、健康保険が適用されますが、打ち切られるケースがあることを理解しておきましょう。打ち切りの条件に当てはまらないよう、適切な治療を受け、他の給付金の受給状況を把握することが重要です。打ち切りの通知を受け取った場合は、速やかに保険者に連絡し、打ち切りの理由を確認しましょう。