交通事故で被ったケガや疾患を労災事故と認定できると、会社負担で医療費や休業補償などの給付を受けられる場合があります。しかし、すべての交通事故が労災事故になるわけではありません。ここでは、日本交通弁護士の観点から、労災事故が会社負担となる条件について解説します。

労災事故認定の要件

交通事故が労災事故と認定されるためには、以下の要件を満たす必要があります。

業務に起因して発生したこと

通勤途中であること

業務外の行為が業務に影響を及ぼしたこと

業務起因性

「業務に起因して発生したこと」とは、業務遂行中に事故が発生したり、業務との関連性が高い行為中に発生したりすることを指します。例えば、営業中の交通事故や出張中の交通事故は業務起因性があります。

通勤途上

「通勤途中であること」とは、自宅と就業先の間の通路上で発生した事故を指します。通勤途上とは、一般的な通勤経路を通行している場合に限られます。私用のため遠回りしていた場合などは通勤途上とは認められません。

業務外の行為

「業務外の行為が業務に影響を及ぼしたこと」とは、本来業務外の行為であっても、それが業務に影響を及ぼした場合に労災事故と認められることを指します。例えば、私用車の運転中に営業先に向かっていた場合や、休日出勤中に私用を兼ねて外出していた場合などです。

以上の要件を満たさない場合、交通事故は労災事故とは認定されません。そのため、事故が発生した場合は、速やかに会社に報告し、労災保険の適用可否について相談することが重要です。