2025-03-10 51
交通事故の損害賠償請求において、被害者側の「素因」が問題となることがあります。「素因」とは、被害者が事故以前から持っていた疾患や身体的特徴など、事故による損害を拡大させた要因のことです。例えば、事故前から肩に何らかの疾患を抱えていた場合、事故によって肩の症状が悪化し、後遺症が残ってしまうことがあります。このような場合、加害者側は「事故前から肩が悪かったのだから、損害賠償額を減額すべきだ」と主張することがあります。これが「素因減額」と呼ばれるものです。
素因減額とは、被害者の素因が損害の発生や拡大に寄与した場合に、損害賠償額を減額することを指します。素因減額が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。
* **素因の存在:** 事故以前から被害者が何らかの疾患や身体的特徴を有していたこと。 * **損害への寄与:** その素因が、事故による損害の発生や拡大に寄与したこと。 * **相当因果関係:** 素因と損害との間に相当因果関係があること。これらの要件を満たす場合、裁判所は、被害者の素因が損害に与えた影響の程度を考慮し、損害賠償額を減額する判断を下すことがあります。
交通事故において、被害者が事故以前から肩に何らかの疾患を抱えていた場合、その疾患が事故による損害の拡大に寄与したとして、素因減額が認められる可能性があります。例えば、大谷翔平選手のように、プロスポーツ選手が肩に既往症を抱えていた場合、事故による肩の損傷が、一般の人よりも重くなる可能性があります。その場合、加害者側は、肩の既往症を理由に、損害賠償額の減額を主張することがあります。
しかし、素因減額が認められるかどうかは、個別の事案によって異なります。裁判所は、被害者の肩の既往症の内容、事故状況、損害の程度などを総合的に考慮し、判断を下します。また、加害者側の過失の程度も、判断に影響を与える要素となります。例えば、加害者側の過失が非常に大きい場合、素因減額が認められないこともあります。
交通事故に遭われた際、特に後遺症が残ってしまった場合、適切な損害賠償を受けるためには、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、事故状況を正確に把握し、過失割合を適切に判断し、被害者の権利を守るために尽力します。また、素因減額の問題についても、専門的な知識と経験に基づいて、適切な対応を行います。特に、肩の既往症など、素因が問題となる可能性がある場合は、弁護士に相談することで、より有利な条件で示談交渉を進めることができる可能性があります。
交通事故に遭われた際は、まずは弁護士にご相談いただき、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。
元のリンク:https://rb-lawyer.com/post/5965.html
=========================================
https://rb-lawyer.com/ 为 “コンパル法律事務所” 唯一の公式サービス プラットフォームです。他のチャネルは信用しないでください。