## 示談を断ったらどうなる？ 交通事故に遭ってしまった場合、加害者側（またはその保険会社）から示談の提案を受けることがあります。しかし、提示された示談内容に納得がいかない場合や、弁護士に相談してから判断したい場合など、示談を断るという選択肢も当然あります。では、示談を断った場合、一体どうなるのでしょうか？この記事では、示談を拒否した場合に起こりうる事態について、日本の交通事故に関する法律を基に解説します。

示談交渉決裂後の流れ

示談交渉が決裂した場合、主に以下の３つの選択肢が考えられます。

* **調停:** 裁判所を介して、中立的な立場の調停委員が間に入り、当事者間の話し合いを仲介します。調停は、裁判よりも手続きが簡便で、費用も比較的安価に抑えられます。しかし、調停はあくまで話し合いであるため、相手方が合意しなければ成立しません。

* **訴訟（裁判）:** 裁判所に訴えを起こし、裁判官に判断を仰ぎます。訴訟では、証拠に基づいて事実関係を明らかにし、法律に基づいて損害賠償額が決定されます。訴訟は、時間と費用がかかりますが、最終的な解決手段となります。

* **弁護士による交渉継続:** 示談交渉を弁護士に依頼し、専門的な知識と交渉力によって、より有利な条件での解決を目指します。弁護士は、法的な根拠に基づき、適切な損害賠償額を算出し、相手方と交渉を行います。示談交渉の段階で弁護士に依頼することで、訴訟を回避できる可能性もあります。

示談を断る際の注意点

示談を断る際には、以下の点に注意が必要です。

* **時効:** 交通事故の損害賠償請求権には時効があります。人身事故の場合、損害賠償請求権は、原則として事故発生から5年で時効となります（2020年4月1日以降に発生した事故の場合）。物損事故の場合は3年です。示談交渉が長引いている場合は、時効が成立しないよう、内容証明郵便を送付するなど、時効中断の措置を講じる必要があります。

* **証拠の保全:** 事故状況や損害に関する証拠は、可能な限り保全しておくことが重要です。事故現場の写真、診断書、診療明細書、修理見積書、領収書など、客観的な証拠は、訴訟や調停において、自己の主張を裏付ける上で非常に重要となります。

* **弁護士への相談:** 示談交渉に不安がある場合や、提示された示談内容に納得がいかない場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、法律の専門家として、適切なアドバイスやサポートを提供し、あなたの権利を守ってくれます。

交通事故に遭われたら、まずは弁護士にご相談を

交通事故に遭われた場合、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかります。複雑な示談交渉を一人で行うのは困難な場合も少なくありません。弁護士に依頼することで、示談交渉を有利に進めることができるだけでなく、精神的な負担も軽減されます。交通事故に遭われた際には、まずは弁護士にご相談ください。