## 事故で相手が逃げた場合、保険は使えますか? 交通事故に遭ってしまった際、加害者がその場から逃走してしまう、いわゆる「当て逃げ」や「ひき逃げ」に遭遇してしまうことがあります。このような場合、泣き寝入りせざるを得ないのではないかと不安に思う方も少なくないでしょう。しかし、状況によってはご自身の保険を利用したり、公的な救済制度を利用したりすることで、損害を補填できる可能性があります。

当て逃げやひき逃げは、重大な犯罪行為です。まずは落ち着いて、警察に連絡し、現場検証や捜査を依頼することが重要です。目撃者がいれば、証言を得ておきましょう。また、ドライブレコーダーの映像があれば、有力な証拠となります。

ご自身の保険の活用

加害者が特定できない場合でも、ご自身が加入している自動車保険の内容によっては、保険金を受け取れる可能性があります。例えば、以下の保険が考えられます。

* **車両保険:** ご自身の車の修理費用を補償する保険です。免責金額（自己負担額）の設定によっては、保険金を受け取れない場合もあります。 * **人身傷害保険:** ご自身のケガや死亡に対する保険です。過失割合に関わらず、保険金を受け取ることができます。 * **無保険車傷害保険:** 加害者が保険に加入していない場合や、逃走して加害者が特定できない場合に、ご自身のケガや死亡に対する保険金を受け取ることができます。

ご加入の保険会社に連絡し、保険の内容を確認し、保険金請求が可能かどうか相談してみましょう。弁護士特約が付帯していれば、弁護士に相談する費用も保険で賄える場合があります。

自賠責保険の活用

ひき逃げの場合、加害者が特定できなくても、政府保障事業を通じて自賠責保険から一定の補償を受けられる可能性があります。これは、被害者の救済を目的とした制度です。ただし、申請には手続きが必要であり、受け取れる金額も自賠責保険の範囲内に限られます。

政府保障事業への申請は、通常、弁護士を通じて行うことが推奨されます。専門的な知識が必要となるため、弁護士に相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。

弁護士への相談の重要性

当て逃げやひき逃げの被害に遭われた場合、加害者の特定、保険会社との交渉、政府保障事業への申請など、複雑な手続きが必要となる場合があります。弁護士に相談することで、法的なアドバイスを受けられ、適切な対応をサポートしてもらうことができます。特に、以下のような場合は弁護士への相談を検討しましょう。

* 加害者が特定できない * 保険会社との交渉が難航している * 後遺障害が残ってしまった

弁護士は、被害者の権利を守り、正当な賠償金を受け取れるようにサポートします。交通事故に強い弁護士に相談することで、安心して問題解決に取り組むことができます。

交通事故に遭われた際は、まずは警察に連絡し、その後、弁護士に相談することを検討しましょう。早期に相談することで、適切な対応が可能となり、被害を最小限に抑えることができます。