## 運転中に労災申請をしないところある？

交通事故は、通勤中や業務中といった仕事に関わる状況下で発生した場合、労災保険の適用対象となる可能性があります。しかし、「運転中に労災申請をしないところがあるのか？」という疑問を持つ方もいるかもしれません。労災申請は労働者の権利であり、基本的にはどの事業所であっても申請を妨げることはできません。しかし、現実には様々な理由から、労災申請をためらわせるような状況が存在する可能性も否定できません。

労災申請をためらわせる要因

労災申請は労働者の権利ですが、申請をためらわせる要因はいくつか考えられます。

* **会社のイメージ悪化への懸念:** 労災事故が発生すると、会社の安全管理体制に問題があるのではないかと疑われ、企業イメージが悪化する可能性があります。特に中小企業の場合、労災保険料率の上昇を避けるために、労災申請を避けたいと考える経営者もいるかもしれません。 * **手続きの煩雑さ:** 労災申請には、事故の状況を詳細に記載した書類の作成や、医師の診断書など、煩雑な手続きが必要です。会社側がこれらの手続きを煩わしく感じ、積極的に協力しない場合もあります。 * **労働者への圧力:** 稀なケースではありますが、会社側が労働者に対し、労災申請をしないように圧力をかけることも考えられます。これは明らかな違法行為であり、労働基準監督署に相談するべきです。 * **労働者の自己責任という考え方:** 交通事故の場合、運転者の過失が問われることが多く、会社側が「運転者の不注意による事故だから労災ではない」と判断するケースもあります。しかし、業務中の事故であれば、運転者の過失の有無に関わらず、労災保険の適用対象となる可能性があります。

労災申請を検討すべきケース

以下の状況に該当する場合、労災申請を検討する価値があります。

* **通勤中の交通事故:** 自宅から会社への往復、または会社から自宅への帰宅途中の交通事故は、原則として労災保険の適用対象となります。 * **業務中の交通事故:** 営業活動や配達業務など、業務のために運転中に発生した交通事故は、労災保険の適用対象となります。 * **会社の指示による運転中の事故:** 会社の指示によって運転していた場合、たとえ休憩時間中の事故であっても、労災保険の適用対象となる可能性があります。

労災申請で困った場合の相談先

もし会社が労災申請に協力してくれない、または申請を妨害するような行為がある場合は、以下の機関に相談することを検討してください。

* **労働基準監督署:** 労災保険に関する相談や、会社側の違法行為に対する告発を受け付けています。 * **弁護士:** 労災に関する法的なアドバイスや、会社との交渉を代行してくれます。特に、後遺障害が残るような重大な事故の場合は、弁護士への相談をおすすめします。 * **労働組合:** 労働組合に加入していれば、労災に関する相談や、会社との交渉をサポートしてくれます。

交通事故による労災申請は、複雑な手続きや会社との交渉が必要となる場合があります。専門家である弁護士に相談することで、適切なアドバイスを受け、スムーズな申請をサポートしてもらうことができます。特に、後遺障害が残るような重大な事故の場合は、弁護士への相談を強くおすすめします。