被労災と認定されると、会社は労災保険法に基づき、休業補償や治療費などの補償金の支払いが義務付けられます。しかし、必ずしも全ての申請が労災と認められるわけではありません。会社が労災保険の申請を認めない主な理由を以下に示します。

業務遂行中の負傷ではない

労災保険は、業務遂行中に負った負傷や疾病に対してのみ適用されます。業務外で行われた事故や病気は、労災と認められません。例えば、通勤途中の事故や、プライベートな用事中に発生した怪我は労災保険の対象外です。

業務上との因果関係が認められない

業務遂行中に負傷した場合でも、業務との因果関係が認められない場合、労災と認められません。例えば、業務中に喫煙をしており、その結果体調不良になった場合、喫煙が怪我の原因とみなされるため労災とはなりません。

申告が遅れた

労災保険の申請は、負傷または発症してから一定期間以内に行う必要があります。この期間は通常30日程度ですが、職業によって異なる場合があります。この期間を過ぎた場合、労災と認められなくなる可能性があります。

故意または重大な過失が認められる

負傷や疾病が労働者の故意または重大な過失による場合は、労災と認められません。例えば、安全規定を無視した結果負傷した場合や、飲酒運転中に事故を起こした場合などは、労災の対象外となります。

労働者ではない

労災保険は、雇用関係のある労働者にのみ適用されます。請負業者やアルバイトなど、雇用関係のない労働者は労災保険の対象外となる場合があります。また、自営業者は原則として労災保険に加入できません。

証拠が不足している

会社が労災保険の申請を認めない場合、その理由を明確にする必要があります。この際、会社は負傷や疾病が労災に該当しないと考える証拠を提示する必要があります。労働者は、負傷や疾病が業務上のものであることを証明する証拠を提出することで、会社の主張を覆すことができます。

労災保険の申請が認められない場合、労働者は労働基準監督署に審査請求を行うことができます。審査請求が認められれば、労災と認定される可能性があります。また、労働組合など外部の機関に相談することも検討できます。