労働災害保険制度は、労働者が業務上または通勤途上で負傷や疾病した場合に給付金や医療費を支給する公的な保険制度です。労災保険の適用を受けるためには、一定の条件を満たす必要があります。

労災保険の適用条件

労災保険が適用されるのは、次の条件をすべて満たす場合です。

事業主と労働者との間に労働関係があること

業務によって災害が発生したこと

業務遂行中または通勤途上に災害が発生したこと

労働関係とは、労働者が事業主の指揮命令を受けて労働に従事し、事業主が労働者に報酬を支払っている状態を指します。業務とは、労働者が労働契約に基づき行う作業を指します。

業務上災害と通勤災害

業務上災害とは、業務遂行中に発生した災害を指します。通勤災害とは、通勤途上に発生した災害を指します。通勤途上とは、自宅と事業所の間の合理的な経路を通行している場合に限られます。

適用除外

労災保険は、すべての労働災害に適用されるわけではありません。次の場合は労災保険の適用除外となります。

労働者が故意に災害を発生させた場合

労働者が重大な過失によって災害を発生させた場合

災害が労働者の通勤途上における私的な行為によって発生した場合

労災保険の適用条件を満たしているかどうかについては、労働基準監督署が判断します。労災保険の適用が認められると、労働者は給付金や医療費の支給を受けることができます。