## 人身事故で悪化になるのは？ 交通事故に遭ってしまった場合、物損事故として処理されるか、人身事故として処理されるかで、その後の手続きや賠償請求に大きな違いが出てきます。特に、人身事故として処理されると、状況によっては被害者にとって不利な方向に進んでしまう可能性も否定できません。今回は、人身事故として処理されることで、状況が悪化してしまうケースについて解説します。

人身事故とは、交通事故によって人が怪我をしたり、死亡したりした場合に適用される事故類型です。物損事故とは異なり、警察による実況見分や、医師の診断書の提出が必要となります。この診断書の内容が、その後の賠償請求に大きく影響を与えることになります。

診断書の内容と悪化の可能性

人身事故における悪化の要因として、まず挙げられるのが診断書の内容です。例えば、事故直後は痛みを感じていたとしても、診断書に「異常なし」と記載されてしまうと、事故と怪我との因果関係を証明することが難しくなります。また、症状が軽微であると判断されてしまうと、慰謝料の金額が低く抑えられてしまう可能性があります。

さらに、事故から時間が経ってから病院を受診した場合、事故との因果関係を疑われることもあります。そのため、少しでも痛みや違和感を感じたら、事故後速やかに医療機関を受診し、医師に事故状況を詳しく説明することが重要です。

過失割合と悪化の可能性

交通事故における過失割合は、賠償金額を決定する上で非常に重要な要素となります。人身事故の場合、過失割合が被害者側に大きいほど、受け取れる賠償金額は少なくなります。例えば、信号無視をして事故を起こした場合や、一時停止を怠った場合などは、過失割合が大きくなる可能性があります。

過失割合は、警察の捜査結果や実況見分、ドライブレコーダーの映像などを参考に決定されます。しかし、当事者間の主張が食い違う場合や、証拠が不十分な場合は、過失割合の決定が難航することもあります。そのような場合は、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。

示談交渉と悪化の可能性

人身事故における示談交渉は、加害者側の保険会社と被害者側で行われます。保険会社は、できる限り賠償金額を抑えようとするため、被害者にとって不利な条件を提示してくることがあります。特に、法律の知識がない場合や、交渉に慣れていない場合は、保険会社の言いなりになってしまい、本来受け取れるはずの賠償金を受け取れない可能性があります。

示談交渉を行う際には、弁護士に依頼することで、適切な賠償金額を算出し、保険会社との交渉を有利に進めることができます。また、弁護士は、後遺障害の認定や、逸失利益の計算など、専門的な知識が必要となる手続きも代行してくれるため、安心して示談交渉を進めることができます。

弁護士への相談の重要性

人身事故に遭ってしまった場合、状況が悪化するのを防ぐためには、早めに弁護士に相談することが重要です。弁護士は、事故状況や診断書の内容、過失割合などを総合的に判断し、被害者にとって最善の解決策を提案してくれます。また、示談交渉や訴訟など、必要な手続きを代行してくれるため、精神的な負担を軽減することができます。

交通事故に遭われた際は、一人で悩まず、弁護士に相談し、適切なサポートを受けることをお勧めします。