労災の慰謝料の相場はどのくらいですか？

交通事故によって労災が発生した場合、被害者には労災補償が支払われます。そのうち、精神的苦痛に対する補償が慰謝料です。慰謝料の相場は、事故の態様、被害者の年齢や職業、後遺障害の程度などによって異なりますが、おおよその目安を以下にご紹介します。

労災慰謝料の相場

死亡の場合 ?遺族補償年金：年収の60%相当 ?逸失利益：遺族の収入を補償 ?葬儀費用：上限100万円 ?慰謝料：3,000万～5,000万円程度

重度の後遺障害の場合 ?障害補償年金：障害の程度に応じて年収の40～70%相当 ?逸失利益：被害者の労働能力の低下を補償 ?慰謝料：1,500万～3,000万円程度

軽度の後遺障害の場合 ?障害補償年金：障害の程度に応じて年収の15～30%相当 ?逸失利益：被害者の労働能力の低下を補償 ?慰謝料：100万～1,500万円程度

請求できる慰謝料の範囲

慰謝料は、精神的苦痛に対する賠償のため、以下のような損害を請求できます。 ?肉体的苦痛 ?精神的苦痛（不安、恐怖、悲しみなど） ?社会的苦痛（社会生活の制限、孤独感など） ?経済的苦痛（将来の収入減少、医療費など） ?逸失利益（労働能力の低下による収入の減少）

ただし、労災では、損害賠償制度とは異なり、過失の有無は問われません。そのため、被害者に過失があっても慰謝料を請求することができます。また、労災保険の適用範囲内であれば、加害者にも過失があっても、基本的に被害者は加害者に対して損害賠償を請求することはできません。

慰謝料の増額請求も可能

上記で示した慰謝料の相場はあくまで目安であり、ケースによっては増額請求することも可能です。例えば、事故の態様が特に悪質であった場合、被害者の後遺障害が重篤で日常生活に大きな支障をきたしている場合、被害者が未成年者であった場合などは、慰謝料の増額が認められる可能性があります。

労災の慰謝料請求は、交通事故の被害者にとって重要な権利です。自分自身で交渉を進めることもできますが、交渉のプロである弁護士に依頼することで、適切な補償を受けることができます。労災の慰謝料請求でお悩みの方は、まずは弁護士にご相談されることをお勧めします。