交通事故後、無断で通院を停止した場合の影響とリスク

交通事故に遭われた方が、治療を中断した場合の影響やリスクについて解説します。

1. 損害賠償額の減額

交通事故の被害者が、正当な理由なく治療を中断した場合、損害賠償額が減額される可能性があります。治療中断期間により、被害者の症状が改善しなかったり、悪化したりした場合、その分が「後遺障害」として認められない可能性があるからです。

また、治療中断期間が長ければ長いほど、治療費用の損害額も減額される傾向にあります。

2. 症状の悪化

治療を中断すると、症状の悪化につながる可能性があります。交通事故では、目に見えない怪我を負っている場合が多く、治療中断によって症状が長期化したり、悪化したりする可能性があります。

特に、むち打ち症などの頸椎捻挫は、早期治療が重要です。治療を中断すると、症状が長引き、後遺症が残るリスクが高くなります。

3. 過失割合の増大

治療を中断したことが、事故発生時の過失割合に影響する場合があります。被害者が治療を中断したことで、症状の改善が遅れたり、悪化したりした場合、被害者の過失割合が増大する可能性があります。

過失割合が増大すると、損害賠償額が減額されることになります。

4. 保険金給付の停止

治療を中断した場合、自賠責保険や任意保険からの保険金給付が停止される可能性があります。保険会社は、被害者が治療を中断したことを怠慢とみなし、保険金の支払いを拒否する場合があります。

保険金が停止されると、治療費などの費用を自己負担で支払う必要が出てきます。

5. 交通事故証明書の無効

交通事故証明書は、交通事故の発生を証明する重要な書類です。しかし、治療を中断した場合、交通事故証明書が無効になる可能性があります。

交通事故証明書が無効になると、損害賠償請求や保険金の請求が困難になります。

結論

交通事故に遭われた方は、たとえ症状が軽かったとしても、治療を中断せずにきちんと続けることが重要です。治療を中断すると、損害賠償額の減額、症状の悪化、過失割合の増大、保険金給付の停止、交通事故証明書の無効など、さまざまな影響やリスクが生じる可能性があります。

交通事故に遭われたら、まずは適切な医療機関を受診し、医師の指示に従って治療を継続してください。