## 示談金は誰が決めるのですか？ 交通事故に遭ってしまった場合、加害者側との示談交渉は避けて通れません。その際、最も気になることの一つが「示談金は一体誰が、どのように決めるのか？」という点ではないでしょうか。この記事では、示談金の決定プロセスについて、弁護士の視点から詳しく解説します。

交通事故の示談金は、当事者間の合意によって決定されます。しかし、その合意に至るまでには、様々な要素が考慮され、複雑な計算が行われることも少なくありません。示談交渉のテーブルに着く前に、示談金の決定プロセスを理解しておくことは、ご自身の権利を守る上で非常に重要です。

示談金の構成要素

示談金は、大きく分けて「積極損害」「消極損害」「慰謝料」の3つの要素で構成されています。

• 積極損害：治療費、入院費、通院交通費、装具代、介護費用など、事故によって実際に発生した費用
• 消極損害：休業損害、逸失利益など、事故によって得られなくなった収入
• 慰謝料：入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料など、精神的苦痛に対する賠償金

これらの損害項目を一つ一つ積み上げて、示談金の総額を算出します。それぞれの損害額の算定方法には、法的根拠となる基準があり、その基準によって金額が大きく変動することがあります。

示談金の算定基準

示談金の算定基準には、主に以下の3つの基準があります。

• 自賠責基準：自動車損害賠償責任保険（自賠責保険）が定める最低限の基準。
• 任意保険基準：各保険会社が独自に定める基準。自賠責基準よりは高額になることが多いですが、裁判基準よりは低額になる傾向があります。
• 裁判基準（弁護士基準）：過去の判例に基づいた基準。最も高額になる可能性が高い基準です。

示談交渉において、加害者側の保険会社は通常、任意保険基準で示談金を提示してきます。しかし、被害者側が弁護士に依頼した場合、裁判基準で示談交渉を進めることが可能となり、示談金の増額が見込めます。

示談交渉の流れ

示談交渉は、通常以下の流れで進められます。

1. 損害額の確定：治療費、休業損害、慰謝料などの損害額を確定させます。
2. 示談金の提示：加害者側の保険会社が示談金を提示します。
3. 交渉：提示された示談金が妥当かどうかを検討し、交渉を行います。
4. 合意：示談金に合意したら、示談書を作成し、署名?捺印します。
5. 支払い：示談書に基づいて、示談金が支払われます。

示談交渉は、被害者自身が行うことも可能ですが、専門的な知識や交渉力が必要となるため、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に示談交渉を依頼する主なメリットは以下の通りです。

• 適切な損害賠償額の算定：裁判基準に基づいて、適正な損害賠償額を算定してもらえます。
• 交渉の代行：煩雑な示談交渉を弁護士が代行してくれるため、精神的な負担を軽減できます。
• 示談金の増額：弁護士が交渉することで、示談金の増額が期待できます。
• 法的サポート：法的知識に基づいて、適切なアドバイスやサポートを受けられます。

交通事故に遭ってしまった場合は、まずは弁護士に相談し、今後の対応についてアドバイスを受けることをおすすめします。特に、後遺障害が残ってしまった場合や、過失割合に争いがある場合は、弁護士のサポートが不可欠です。