交通事故に遭われた際、加害者側の保険会社から提示される示談金は、必ずしも被害者にとって十分な補償額とは限りません。特に、後遺障害が残ってしまった場合、示談交渉は非常に複雑になり、適切な賠償金を得るためには専門家のサポートが不可欠です。今回は、後遺障害等級認定において重要な「低髄液圧症候群（低髄圧症）」と、示談交渉において用いられる基準の一つである「慰謝料」について、4級認定を前提に解説します。

低髄液圧症候群（低髄圧症）とは？

低髄液圧症候群（低髄圧症）は、脳脊髄液が漏れ出すことによって脳脊髄液圧が低下し、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴りなど、様々な症状を引き起こす疾患です。交通事故による衝撃で発症することがあり、後遺障害として認定される可能性があります。しかし、診断が難しく、交通事故との因果関係を立証することが難しいケースも少なくありません。

低髄圧症が後遺障害として認定されるためには、画像検査（MRIなど）による客観的な所見や、症状の継続性、交通事故との因果関係などを総合的に判断されます。弁護士は、これらの立証に必要な証拠収集や、医師との連携をサポートし、適切な後遺障害等級認定を目指します。

後遺障害等級４級の慰謝料相場

交通事故で後遺障害が残り、後遺障害等級４級に認定された場合、慰謝料の算定には主に３つの基準が用いられます。それは、自賠責基準、任意保険基準、そして裁判基準（弁護士基準）です。

自賠責基準：自賠責保険が定める最低限の補償額を算定する基準です。後遺障害慰謝料は、等級に応じて定められた金額が支払われます。４級の場合、自賠責基準では約219万円が目安となります。

任意保険基準：各保険会社が独自に定める基準です。自賠責基準よりは高額になることが多いですが、裁判基準（弁護士基準）と比較すると低い傾向にあります。

裁判基準（弁護士基準）：過去の裁判例を基に算定される基準で、最も高額になる傾向があります。弁護士に依頼した場合、この基準に基づいて示談交渉を行うことが一般的です。４級の場合、裁判基準では約730万円～1000万円程度が目安となります。

低髄圧症で４級認定された場合の慰謝料

低髄圧症で後遺障害等級４級に認定された場合、慰謝料は上記の基準に基づいて算定されます。しかし、低髄圧症の認定は難易度が高く、適切な等級認定を得るためには、専門的な知識と経験を持つ弁護士のサポートが不可欠です。

弁護士は、医学的な知識に基づいて、低髄圧症と交通事故との因果関係を立証し、必要な証拠を収集します。また、保険会社との交渉において、裁判基準（弁護士基準）に基づいた適切な慰謝料を請求し、被害者の権利を守ります。

弁護士に相談するメリット

交通事故による後遺障害、特に低髄圧症のような複雑なケースでは、弁護士に相談することで多くのメリットがあります。

• 適切な後遺障害等級認定のサポート：医学的な知識に基づき、必要な証拠収集や医師との連携をサポートし、適切な等級認定を目指します。
• 慰謝料増額の可能性：裁判基準（弁護士基準）に基づいた示談交渉を行い、慰謝料の増額を目指します。
• 精神的な負担の軽減：保険会社との煩雑な交渉を弁護士に任せることで、精神的な負担を軽減することができます。

交通事故に遭われた際は、早期に弁護士にご相談いただくことをお勧めします。適切な賠償金を得て、安心して療養に専念できる環境を整えましょう。